『 手仕事とは 』
子どもたちは、編み物、縫い物、刺繍、羊毛フェルト、 洋裁、木工、金属工芸、製本など、多岐にわたり、 自分の手で物を作ることを学んでいます。
『 枠を外す力 』
手仕事は、将来の職業訓練として学んでいるのではなく、色選びからデザイン、パターンまで、自分たちで考えてものを生み出すことによって、想像力や創造力、自分の手からものが生み出される喜び、生きていく力を育みます。
パターンや製図は使いません。作るものの目的や用途を考えながら、先生は子どもたちの中から湧いてくる発想力を刺激しながら、物として形になるように指導します。
このことが、自分の枠を外し、自らの力で生み出すことを可能にします。
子どもの発達段階に考慮しながら進めていくことも、大切と考えられています。
『 子どもたちの成長発達段階に沿った学び 』
子どもは、一足飛びで大人にはなりません。
一段、一段階段を登りながら大人になっていきます。その年齢でなければ、開花させられないものがあります。
手仕事を教える先生たちは、子どもたちが身体能力や集中力、創造力、想像力などを発展させるために、適切な素材や道具を選びます。
羊から毛糸を、綿から綿糸を、蚕から絹糸を。草木花から色を、木や石から道具を選びます。
『 自然の循環の中で生きる 実感を持つということ 』
自然からの素材に自分たちの手を加え、暮らしの中で役に立つものを美しく作るということを学びます。 自然素材で作られた物は、その役目を終えた時、土に再び還っていきます。
自然の循環の中で人間は暮らしているということを、知識としてではなく物づくりを通して、感じて体感させるのです。 これから、持続可能な社会の実現が大事だといわれています。
小さな頃から手を動かすことのできる人間、自然の循環の中に生きているという実感を持っている人間を育てていくことは、ますます必要になってきます。
手仕事教育には、その一端を担う力があると考えます。